不動産の相続の一覧
不動産の相続について「分けられない財産」をどう扱うか
「実家を相続したが、誰も住む予定がない。売却すべき?」
「兄弟3人で不動産を相続したが、どう分ければ公平?」
「相続税の計算に使う不動産の評価額が、実際の価値と全然違う」
「不動産を売却したいが、相続人全員の同意が必要?」
「古い家と土地を相続したが、維持費が負担になっている」
相続財産の中で、最も扱いが難しいのが不動産です。
現金や預貯金は「1,000万円を3人で分ける」というように簡単に分割できますが、不動産はそうはいきません。
まるで「一つしかないケーキを、切らずに3人で分ける」ようなものです。
不動産の相続が難しい理由は、以下の点にあります:
物理的に分割できない
- ・一つの家を3つに切り分けることはできない
- ・土地も分筆すると価値が下がる場合がある
- ・共有にすると後々のトラブルの元になる
評価が複雑
- ・相続税評価額(路線価など)と実際の売買価格が大きく異なる
- ・評価のタイミングで価格が変動する
- ・不動産鑑定士によっても評価が異なることがある
維持管理のコスト
- ・固定資産税の継続的な負担
- ・建物の老朽化による修繕費
- ・空き家になった場合の管理責任
流動性が低い
- ・すぐに現金化できない
- ・買い手が見つからない物件もある
- ・売却に時間とコストがかかる
さらに、不動産には「思い出」という感情的な価値も含まれています。
親が大切にしていた実家、子ども時代を過ごした家――金銭的な価値だけでは測れない要素が、相続人間の対立を生むこともあります。
しかし、適切な知識と計画があれば、これらの課題は解決可能です。
不動産の相続では、以下の3つの大きな決断が必要になります:
決断1: どう分けるか(分割方法の選択)
- ・現物分割: 不動産をそのまま特定の相続人が取得
- ・代償分割: 不動産を取得した人が他の相続人に代償金を支払う
- ・換価分割: 不動産を売却して、代金を分ける
- ・共有: 相続人全員で共有する(非推奨)
決断2: どう評価するか(評価方法の選択)
- ・路線価による評価(相続税計算用)
- ・固定資産税評価額
- ・不動産鑑定評価
- ・実勢価格(時価)
決断3: 保有するか売却するか
- ・そのまま保有して居住・賃貸に活用
- ・売却して現金化
- ・リフォーム・建て替えして活用
宇都宮東法律事務所では、不動産の相続に関する法律問題について、豊富な経験を持つ弁護士が皆様をサポートしています。
不動産業者、税理士、司法書士などの専門家とも連携し、法律面だけでなく、実務面でも最適な解決策をご提案します。
このページでは、不動産の相続に関する重要な情報をわかりやすく解説します。
【特に注意が必要なケース】
以下に該当する場合は、早めに専門家へのご相談をお勧めします。
- ⚠️ 不動産の評価額が高額(数千万円以上)
- ⚠️ 相続人が多数(5人以上)
- ⚠️ 相続不動産が複数ある
- ⚠️ 農地や山林が含まれている
- ⚠️ 借地権・底地の問題がある
- ⚠️ 共有名義になっている
- ⚠️ 境界が未確定
- ⚠️ 建物に違法建築の疑いがある
- ⚠️ 相続人の一部が海外在住
- ⚠️ 売却を急いでいる
遺産不動産の売却手続き完全ガイド
相続した不動産の売却を検討されていますか?遺産不動産の売却は通常の不動産売却とは異なる手続きや注意点があります。本記事では、遺産相続から売却完了までの流れ、必要書類、複数の相続人がいる場合の対応方法など、専門的な知識をわかりやすく解説します…
相続と不動産の評価 – 路線価と実勢価格の差、評価のタイミング
不動産評価の重要性と基本概念 相続において、不動産の評価は極めて重要な要素です。適切な評価は、公平な相続分の算定や相続税の正確な計算につながります。不動産評価には主に以下の方法があります。 路線価方式 倍率方式 実勢価格(時価) これらの評…
相続不動産の分け方―分割方法ごとのメリット・デメリット―
ほとんどの場合において相続財産の中には不動産が含まれます。 しかし現金や預貯金と違って単純に分割できない不動産はどのように分ければいいのでしょうか。 今回の記事では相続不動産を分けるにあたってどんな方法があるか、そのメリットとデメリットも併…




