相続不動産の評価方法―不動産の評価額と評価方法について―

代表弁護士 関口 久美子 (せきぐち くみこ)
弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員(パートナー弁護士)
所属 / 栃木県弁護士会 (登録番号43125)
保有資格 / 弁護士

相続財産の中に不動産が含まれる場合、遺産をどのように分けるかを協議します。

そのときに、その不動産にどれだけ価値があるのかを評価する必要があります。

しかし価値がはっきりしている現金や預貯金と違って、不動産はどう評価するのでしょうか。

今回の記事では4種類ある不動産の評価額と、時価についての評価方法をわかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、お互い協力しあってチームを組んで問題を解決します。

持ち家率が高い栃木県という地域柄不動産が関連する相続を数多く扱ってきたため、不動産関連の相続問題に関してのノウハウが豊富です。

不動産が関わる相続でお困りの際はどうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

不動産の評価額は複数ある

土地、建物などの不動産は貨幣価値がそのまま表れている現金や預金と違い、どれだけの価値があるかを貨幣価値に換算して評価することになります。

評価額を決める基準に応じて、以下の4つの評価額が存在します。

  1. 時価(実勢価格)
  2. 公示価格
  3. 路線価(相続税評価額)
  4. 固定資産税評価額

以下、詳しく説明します。

(1) 時価(実勢価格)

時価とは、実勢価格(じっせいかかく)ともいい、市場で実際に取引された価格または周辺の取引事例から推測された価格のことです。

取引事例は国土交通省のサイト「土地総合情報システム」で確認できます。

以下の3つの方法により算定されます。

① 取引事例比較法

居住用土地や建物によく使われる方法で、評価する不動産と実際に取引された不動産の事例とを比較して算出する方法です。

取引された不動産の価格から、取引された不動産と評価対象不動産の違いを数値化して加減して算定します。

② 原価法

建物などの構造物によく使われる方法です。

評価対象物と同等のものを今作り直した場合にいくらになるかを算定し、年月が経過した分減価(価値を減少)させて現在の価値を求める方法です。

③ 収益還元法

賃貸物件などの収益不動産によく使われる方法です。

対象物件から得られる収入から市場利回りを割り戻して価格を算出します。

(2) 公示価格

地価公示法に基づき土地鑑定委員会が公表する土地の価格のことです。

全国に設定された標準地と呼ばれる地点の毎年1月1日現在の価格を、複数の不動産鑑定士が鑑定し、土地鑑定委員会が審査して決定されます。

国土交通省のサイト「土地総合情報システム」で確認できます。

上記の時価に近いとされます。

(3) 路線価(相続税評価額)

相続税や贈与税を計算するための基準となる土地の価格です。

「路線」とあるように、接する道路ごとに計算されています。

国税庁のサイトで「路線価図」が公表されています。

時価や公示価の80%程度といわれていますが、絶対ではありません。

(4) 固定資産税評価額

固定資産税を決める際の基準となる評価額で、「固定資産額評価基準」に基づき各市町村(東京23区は各区)が決定します。

3年ごとに評価替えがされます。

所有者に送られてくる固定資産税の納付通知書や市町村にある固定資産課税台帳で確認することができます。

土地の場合で時価の70%、建物の場合新築時で建設費用の50%~60%(以降年数経過により価値が減少)といわれています。

遺産分割と不動産の評価額

遺産分割における不動産の評価額は、相続人全員が合意すればどの評価額を基準としてもかまいません。

しかし先に解説したようにさまざまな評価額があるために、どの評価額を採用するかが問題になりやすくなっています。

不動産を取得する相続人にとっては、不動産の評価額はできるだけ低い方が預金など別の相続財産で他の取り分を主張しやすくなります。

一方不動産を取得しない相続人にとっては、不動産の評価額はできるだけ高い方が、不動産を取得する相続人が法定相続分以上に相続していると代償金を請求できたり、預金など別の相続財産で取り分を多く主張できたりします。

どの評価額を採用するかで相続人どうしの利害が対立することが多いので、話し合いには十分な知識を持って参加する必要があります。

まとめ

相続不動産の評価によって、遺産の分け方は大きく変わる可能性があります。

専門知識を持った専門家に相談することで、不利な相続をしなくてすむ確率が高くなります。

不動産が関連する相続問題のノウハウが豊富な当事務所へのご相談をお勧めします。

当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

交渉相手は自分に有利な評価額を提示するケースが多いのが実際です。

私どもは相続問題での豊富な経験を踏まえた交渉で、あなたの相続問題を解決します。

気軽に相談していただけるよう、夜9時まで電話を受け付けています。

またわかりやすく費用を設定しており、支払い方法も個々の状況に合わせ柔軟に対応します。

初回相談は60分まで無料ですので、どうぞ気軽に当事務所までご相談ください。

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