遺産の使い込みを疑われた遺産分割を調停で解決した事例|宇都宮東法律事務所
父母と約10年間同居して介護・生活支援をしていた長男夫婦。父母の死後、遠方に住む長女から生前の預金引き出しなどについて疑問を示され、遺産分割が進まなくなりました。通帳や介護・医療関係資料、不動産評価資料などを整理して調停を行い、遺産の範囲と分け方について合意に至った事例です。
10秒でわかる事例紹介
生前の預金引き出しなどをめぐって長女から疑問を持たれ、遺産の範囲や評価について共通認識を持てず、兄妹間の話し合いが停滞。
通帳、介護記録、医療費領収書、不動産評価資料などを収集・整理し、相手方へ開示。直接協議が難しいため家庭裁判所へ調停を申し立て、争点を一つずつ整理。
遺産の範囲について共通認識を形成し、法定相続分を基本とする分割で調停成立。不動産は依頼者が取得し、長女へ代償金を支払う形で解決。
事例の基本情報
- 依頼者
- 60代男性(長男)
- 亡くなられた方
- 父親・母親
- 相続人
- 長女・長男
- 主な遺産
- 不動産・預貯金・現金等
- 主な争点
- 生前の預金引き出し、介護費用、不動産評価、株式・保険の取扱い
- 解決手段
- 家庭裁判所の調停
ご相談時の状況
依頼者である長男夫婦は、父母の世話をするため約10年間同居し、日常的な介護や生活支援を行っていました。父が亡くなった約3か月後に母も亡くなり、両親の相続手続きを進める必要が生じました。ところが、遠方に住む長女は、父母の生前に依頼者が預金を引き出していたことなどから、遺産の範囲や金額に疑問を持ちました。預金の使途、介護費用、不動産の評価、株式・保険の取扱いなど複数の論点が絡み、当事者間だけでは遺産分割協議を前に進めにくい状況でした。
依頼者のご希望
依頼者は、生前の預金引き出しは父母の生活費・医療費・介護費用のためであり、不当な使い込みではないことを説明したいと考えていました。また、長期間の介護負担も適切に考慮してほしい、不動産は実態に即した価値で評価してほしい、株式や保険も含めて遺産全体を整理したうえで分割したいという希望がありました。直接の話し合いが難しいため、弁護士と裁判所を介して冷静に協議を進めることも希望されていました。
この事例の主な争点
預金の引き出しが父母のために使われたものか、それとも遺産から控除すべき使途不明金なのか。
約10年間にわたる介護・生活支援を遺産分割の中でどのように評価するか。
同居していた不動産をどのような基準で評価するか。
株式・保険を含め、分割対象となる財産の範囲をどこまで確定するか。
弁護士の対応
事実関係と争点を整理
父母の相続が連続して発生した経緯、財産の内容、生前の支出、介護状況などを整理し、何が争点になっているのかを明確にしました。
客観資料を収集
預金通帳、介護記録、医療費の領収書、不動産の評価資料など、各主張を裏付ける資料を可能な限り収集しました。
相手方へ資料を開示
長女側に対し、特に生前の預金引き出しについて資料を示しながら経緯を説明しました。感情論だけでなく、客観的な資料を基に協議できる状態を整えました。
遺産分割調停を申立て
当事者間での直接交渉が難しかったため、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てました。調停委員を介して双方の主張を整理し、解決案を検討しました。
分割方法を具体化
不動産、預貯金、現金、株式、保険などについて、取得者や換価方法、代償金の支払いを含む具体的な分割方法を調整しました。
解決結果
資料を丁寧に整理・開示したことで、生前の預金引き出しや介護の実態、不動産評価などについて双方の認識が整理されました。最終的に、法定相続分を基本とする遺産分割で合意し、調停が成立しました。不動産は依頼者が取得して長女へ代償金を支払い、預貯金・現金は法定相続分を基準に分割、株式は換金して分割する内容となりました。相続人間で遺産の範囲について共通認識を持てたことが、解決につながりました。
遺産分割でお困りの方はご相談ください
遺産の使途や介護負担をめぐって相続人同士の認識が食い違っている場合、早い段階で資料と争点を整理することが解決への第一歩です。宇都宮東法律事務所では、遺産の調査・交渉から調停まで、状況に応じた進め方をご提案します。
この事例のポイント
「使い込みではないか」と疑われた場面では、感情的に反論するよりも、通帳・領収書・介護記録などの客観資料を時系列で整理することが重要です。複数の争点が絡む場合でも、論点を分解して証拠と一緒に示すことで、調停を含む話し合いを進めやすくなります。
同じようなお悩みの方へ
生前の預金引き出しを他の相続人から疑われている方、介護負担を考慮してほしい方、不動産の評価をめぐって話が進まない方、兄弟姉妹との直接交渉が難しい方。
遺産分割でお困りの方はご相談ください
遺産の使途や介護負担をめぐって相続人同士の認識が食い違っている場合、早い段階で資料と争点を整理することが解決への第一歩です。宇都宮東法律事務所では、遺産の調査・交渉から調停まで、状況に応じた進め方をご提案します。
※解決結果は個別の事情により異なります。本事例と同様の結果を保証するものではありません。

