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宇都宮で事業承継のご相談なら、お任せください。

事業承継は、会社を誰に引き継ぐかを決めるだけの手続きではありません。後継者の育成、自社株の承継、経営権の維持、親族間の公平、経営者保証、取引先・従業員への説明など、複数の課題を同時に整理する必要があります。

  • 「子どもに会社を継がせたいが、株式や相続の準備ができていない」
  • 「役員や従業員に引き継ぎたいが、株式を買い取る資金が心配」
  • 「後継者がいないため、M&Aも含めて検討したい」
  • 「会社の資産と個人の資産が混在しており、何から整理すべきかわからない」
  • 「事業を継ぐ子と、継がない子の間で相続トラブルにならないか不安」

このようなお悩みを抱えたまま、承継の準備を先送りにしてしまう経営者の方も少なくありません。しかし、事業承継は短期間で完了するものではなく、後継者の選定・育成や株式・資産の整理に時間を要することがあります。早い段階で現状を把握し、承継の方針を定めることが重要です。

宇都宮東法律事務所では、代表弁護士 伊藤一星を中心に、企業法務と相続の両面を踏まえながら、事業承継に関する法的課題の整理を支援します。親族内承継、従業員承継、第三者へのM&Aのいずれを選ぶ場合でも、会社・経営者・後継者・ご家族それぞれの立場を踏まえ、必要な手続きを検討します。

税理士、司法書士などの隣接専門家との連携が必要となる場面では、必要な役割を整理しながら対応を進めます。まずは、現在の会社の状況と、経営者様が実現したい承継の形をお聞かせください。

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事業承継とは、会社や個人事業の経営を、後継者へ引き継ぐことをいいます。

承継の対象は、会社の代表者という立場だけではありません。中小企業の事業承継では、主に次の3つを一体として考える必要があります。

1.経営の承継

経営者としての判断、取引先との関係、従業員との信頼関係、経営理念、事業の方向性などを後継者へ引き継ぐことです。

後継者候補がいても、すぐに経営を任せられるとは限りません。一定期間をかけて経営の実務を経験してもらい、取引先や金融機関、従業員から後継者として認識してもらう準備が必要となる場合があります。

2.株式・事業用資産の承継

会社の場合、経営権を安定させるためには、後継者が議決権を伴う株式を一定程度保有することが重要です。

経営者が保有する自社株が相続によって複数の相続人へ分散すると、重要な経営判断が行いにくくなったり、株主間で意見が対立したりするおそれがあります。

また、会社所有ではなく経営者個人が所有している土地・建物・設備などを事業に使用している場合には、それらの資産を誰が承継するかも確認しなければなりません。

3.知的資産・関係性の承継

事業を継続するうえで重要なのは、帳簿上の資産だけではありません。

長年築いてきた取引先との関係、顧客からの信頼、従業員の技術、ノウハウ、営業上の情報、ブランド、地域での信用なども、会社にとって大切な経営資源です。

事業承継では、これらを後継者へ円滑に引き継げるよう、いつ、誰に、どの範囲まで情報を共有するかを検討する必要があります。

事業承継の3つの方法

事業承継には、大きく分けて「親族内承継」「従業員承継」「M&Aによる第三者承継」の3つの方法があります。

承継方法 主な対象者 主な手法 検討すべきポイント
親族内承継 子ども・親族 贈与、相続、遺言、株式譲渡 自社株の分散、遺留分、相続税・贈与税、後継者育成
従業員承継 役員・従業員 株式譲渡、MBO、役員就任 株式取得資金、経営者保証、社内外の理解
M&A 第三者・他社 株式譲渡、事業譲渡、会社分割等 相手先選定、秘密保持、契約条件、従業員・取引先への引継ぎ

親族内承継

親族内承継は、子どもや親族へ会社を引き継ぐ方法です。経営者の考え方や会社の文化を引き継ぎやすく、従業員や取引先にも理解されやすい場合があります。

一方で、後継者以外の相続人との公平をどう確保するか、自社株をどのように集約するか、相続税や贈与税の負担をどう考えるかといった課題があります。

特に、自社株の価値が高い会社では、後継者に株式を集中させたい一方で、他の相続人の遺留分との関係が問題になることがあります。遺言書の作成や、必要に応じた民法上の特例の検討を含め、早めに対策を進めることが重要です。

従業員承継

従業員承継は、長年会社を支えてきた役員や従業員へ事業を引き継ぐ方法です。

会社の事業内容や取引先、従業員の状況を理解している人材へ引き継げることは大きなメリットです。一方で、後継者候補に株式を買い取るための資金があるか、経営者保証をどう整理するか、親族との関係をどう調整するかなど、検討すべき事項があります。

従業員承継では、後継者が株式を有償で取得するMBOの形をとることもあります。資金調達や株式の評価、保証債務などについて、法務・税務・金融面を横断して検討する必要があります。

M&Aによる第三者承継

親族や社内に後継者がいない場合、第三者へ会社や事業を引き継ぐM&Aも選択肢となります。

M&Aは、単に会社を売却するための手段ではありません。従業員の雇用、取引先との関係、技術・サービス、地域に根ざした事業を残すための承継方法の一つです。

ただし、M&Aでは、相手先候補の選定、秘密保持、企業価値の評価、契約条件の交渉、表明保証、従業員・取引先への説明、承継後の統合作業など、慎重な検討が必要です。

株式譲渡、事業譲渡、会社分割など、選択する手法によって引き継がれる権利義務や必要な手続きが異なります。どの方法が自社に適しているかは、会社の組織、事業内容、資産、取引契約、許認可、従業員の状況などを踏まえて判断します。

事業承継で問題になりやすい5つのポイント

1.自社株が後継者に集約されていない

会社の経営権を安定させるためには、後継者が必要な議決権を確保できる状態にしておくことが重要です。

先代経営者が亡くなった後に、株式が複数の相続人へ分散すると、株主総会での意思決定が難しくなったり、配当や会社経営をめぐって対立が生じたりする可能性があります。

株主名簿の確認、株式の保有状況の整理、後継者以外の相続人への配慮、遺言書の作成などを通じて、承継後の経営体制を想定した準備が必要です。

2.経営者個人の資産と会社の資産が混在している

中小企業では、事業用の土地・建物を経営者個人が保有し、会社へ賃貸しているケースがあります。また、経営者個人が会社借入の保証人になっていることもあります。

このような状態で相続が発生すると、会社の事業継続に必要な資産が相続人間で分散したり、後継者が利用条件の見直しを求められたりするおそれがあります。

不動産、設備、知的財産、株式、保険契約、借入、保証債務などを整理し、会社の事業継続に必要なものを明確にしておくことが重要です。

3.後継者以外の家族への配慮が不足している

後継者へ株式や事業用資産を集中させる場合、後継者以外の子どもや配偶者との間で不公平感が生じることがあります。

  • 「会社を継ぐ子だけが多くの財産を受け取った」
  • 「親の会社の価値が高く、自分の相続分がほとんど残らない」
  • 「相続後に会社の株式をめぐって兄弟姉妹が対立した」

このようなトラブルを避けるためには、事業承継と相続対策を別々に考えないことが大切です。遺言書、生命保険、他の資産の配分、遺留分への配慮などを含め、家族全体としての承継計画を検討する必要があります。

4.後継者の育成や社内外への説明が遅れている

後継者を決めても、従業員や取引先、金融機関がその方を後継者として受け入れるまでには時間がかかることがあります。

承継の時期を急に公表すると、従業員が不安を感じたり、取引先が将来の取引に懸念を抱いたりする可能性があります。一方で、秘密にし続けることで、後継者への引継ぎが十分に行えないこともあります。

誰に、いつ、どのように伝えるかを計画し、後継者が経営を担う姿勢や能力を社内外に示せるよう準備することが重要です。

5.経営者保証や借入金の整理ができていない

経営者個人が会社の借入金の保証人となっている場合、後継者が保証を引き継ぐことへの不安から、事業承継が進まないケースがあります。

保証債務の有無、借入条件、会社の財務状況、金融機関との関係を確認し、承継の前から対応方針を検討することが必要です。状況によっては、経営者保証の解除や見直しを金融機関と協議できる可能性があります。

栃木県で、このようなお悩みはありませんか?

栃木県内を中心に事業を営む経営者様から、次のようなご相談をいただくことがあります。

子どもに会社を継がせたいが、株式の承継方法がわからない

長男に会社を継がせたいが、会社の株式や不動産をどのように渡せばよいかわからない。ほかの子どもにも相続分があるため、遺言や生前贈与をどう考えるべきか悩んでいる。

後継者候補の従業員に事業を引き継ぎたい

長年勤めている役員に会社を任せたいが、株式の買い取り資金をどのように準備するか不安。経営者保証や金融機関との関係も含めて整理したい。

後継者がいないため、M&Aを検討したい

親族にも従業員にも後継者がいない。廃業ではなく、従業員の雇用や取引先との関係を守るため、会社を引き継いでくれる相手を探したい。

自社株の価値が高く、相続税や贈与税が心配

事業は順調だが、自社株の評価額が想定より高くなっている。後継者へ引き継ぐ際にどの程度の税負担が生じるのか、事業承継税制を利用できる可能性があるのか確認したい。

先代が高齢になり、判断能力の低下が心配

代表者が高齢で、株式や不動産の整理が進んでいない。急な入院や相続の発生に備え、会社の意思決定や事業継続に支障が出ないよう準備したい。

親族間の対立を避けながら承継を進めたい

後継者となる子どもと、会社を継がない子どもの間で不公平感が生まれないようにしたい。家族会議の進め方や、遺言書・株式承継の方法を検討したい。

当事務所が事業承継で大切にしている5つのこと

1.企業法務と相続の両面から課題を整理します

事業承継には、会社法、契約、相続、遺言、遺留分、税務、登記、不動産、保証債務など、複数の分野が関係します。

会社の承継だけを考えても、相続対策が不十分であれば、将来の親族間トラブルにつながるおそれがあります。反対に、相続だけを考えても、会社の経営権や事業継続が不安定になることがあります。

当事務所では、会社の事業継続と、ご家族の相続関係の双方を踏まえて、必要な論点を整理します。

2.複数の弁護士による検討体制を活かします

事業承継では、株式・不動産・借入・雇用・親族関係など、さまざまな事情が同時に関係することがあります。

当事務所では、事案の内容に応じて複数の視点から検討を行い、承継方法ごとのメリット・注意点を整理します。特定の方法を急いで選ぶのではなく、経営者様の考え方、会社の状況、後継者候補の有無を踏まえ、現実的な選択肢をご提案します。

3.税理士・司法書士などと必要に応じて連携します

事業承継では、自社株の評価、相続税・贈与税、役員変更登記、不動産登記、契約書の整備など、他の専門家との連携が必要になる場合があります。

当事務所では、弁護士が法的な課題を整理したうえで、必要に応じて税理士、司法書士などの専門家との連携を検討します。複数の専門家が関わる場合にも、相談者様が何度も同じ事情を説明する負担を減らせるよう、対応内容を整理しながら進めます。

4.親族・従業員・取引先への影響を踏まえて検討します

事業承継は、経営者と後継者だけの問題ではありません。

ご家族、従業員、取引先、金融機関など、さまざまな関係者へ影響が及ぶ可能性があります。特に親族内承継では相続との関係を、従業員承継では社内の理解を、M&Aでは秘密保持と従業員・取引先への説明時期を慎重に検討する必要があります。

法的な手続きだけでなく、将来の関係性も見据えた進め方を大切にしています。

5.承継後まで見据えた準備を進めます

株式を譲渡・贈与しただけでは、事業承継が完了したとはいえません。

代表取締役の変更、役員体制の見直し、契約・許認可の確認、金融機関との協議、従業員への説明、取引先への引継ぎなど、承継後に対応すべき事項もあります。

承継後に想定外の問題が生じないよう、実行前の段階から必要な手続きや確認事項を整理します。

事業承継を進める4つのステップ

ステップ1|現状を把握し、承継の課題を整理する

まずは、会社と経営者個人の現状を把握します。

確認する主な事項は、次のとおりです。

  • 株主名簿と株式の保有状況
  • 定款、株式譲渡制限、役員構成
  • 後継者候補の有無と育成状況
  • 会社の借入金と経営者保証の有無
  • 事業用不動産・設備の所有関係
  • 取引先との重要な契約
  • 許認可の有無
  • 相続人となるご家族の状況
  • 遺言書や生前贈与の有無
  • 自社株・不動産・保険などの資産状況

この段階では、すぐに承継方法を決める必要はありません。まずは「何が承継の障害になる可能性があるか」を明らかにすることが重要です。

ステップ2|承継方法と時期を決める

現状を整理した後、親族内承継、従業員承継、M&Aのうち、どの方法を中心に検討するかを決めます。

親族内承継であれば、後継者へ株式を贈与・相続・譲渡する方法、遺言書の必要性、他の相続人への配慮を検討します。

従業員承継であれば、後継者候補の経営能力、株式取得資金、金融機関との調整、役員体制の見直しなどを確認します。

M&Aであれば、株式譲渡や事業譲渡などの基本的な手法、希望する相手先像、従業員の雇用や事業の継続条件、秘密保持の方法などを整理します。

ステップ3|必要な法的手続き・契約書を整える

承継方法が定まったら、具体的な手続きを進めます。

主な対応としては、次のようなものがあります。

  • 遺言書の作成・見直し
  • 株式譲渡契約書、贈与契約書の作成
  • 株主間契約、役員間の合意書の検討
  • 定款・株主名簿の確認
  • 会社機関の変更に伴う手続き
  • 事業用不動産の利用関係の整理
  • 親族間の調整
  • M&Aにおける秘密保持契約、基本合意書、最終契約書の確認
  • 重要契約・許認可・雇用関係の承継可否の確認

事業承継では、口約束や曖昧な理解のまま進めると、後から「聞いていない」「そのような条件ではない」といった問題が生じる可能性があります。重要な合意は、状況に応じて書面へ残すことが必要です。

ステップ4|承継後の体制を整え、事業を安定させる

承継実行後は、新しい経営体制を安定させるための対応が必要です。

後継者が代表者に就任した後も、一定期間は先代経営者が顧問的な立場で支援することがあります。また、従業員や取引先、金融機関との関係を円滑に引き継ぐため、説明の時期や内容を慎重に検討する必要があります。

M&Aの場合には、買い手企業との方針のすり合わせ、従業員の処遇、取引先との関係、業務システムやルールの統合など、承継後の統合作業も重要になります。

事業承継で押さえるべき4つのポイント

1.事業承継は「後継者が決まってから」では遅い場合があります

後継者候補が決まっていても、実際に経営を任せられるようになるまでには時間がかかります。

また、自社株や事業用資産の整理、遺言書の作成、相続税・贈与税の検討、経営者保証の協議などにも一定の期間が必要です。

「まだ元気だから」「後継者がもう少し成長してから」と考えている間に、急な病気や相続の発生によって、十分な準備ができないまま承継を迎える可能性もあります。

早い段階で相談し、必要な準備を優先順位ごとに整理することが大切です。

2.自社株と相続対策は一緒に考える必要があります

経営者が保有する自社株は、相続財産となります。

後継者へ株式を集中させることが会社経営の安定につながる一方で、他の相続人の遺留分や相続分との関係を検討しなければ、相続後に株式や会社経営をめぐる争いが起こる可能性があります。

遺言書だけで解決できるとは限りません。生命保険の活用、他の資産との配分、相続人との事前のコミュニケーションなどを含め、総合的に検討することが重要です。

3.事業承継税制は、期限・要件を確認したうえで検討します

非上場株式等の承継に関しては、相続税・贈与税の負担軽減を目的とした事業承継税制があります。

ただし、制度の利用には、会社・先代経営者・後継者についての要件や、都道府県への計画提出、承継後の報告など、確認すべき事項があります。税制上有利に見える場合でも、自社の状況に合わない可能性があるため、税理士等と連携して個別に検討する必要があります。

法人版の特例措置を検討する場合は、特例承継計画の提出期限と、実際に承継を行う期限を確認し、余裕を持って準備を進めることが重要です。

4.M&Aでは、相手先選びと契約条件の確認が重要です

M&Aを検討する場合、譲渡価格だけで判断することは適切ではありません。

従業員の雇用をどのように扱うか、取引先との関係を維持できるか、経営者が承継後にどの程度関与するか、会社名や事業方針をどうするかなど、譲渡後の条件を確認することが必要です。

また、仲介会社やアドバイザーと契約する際には、支援範囲、手数料、専任条項、直接交渉の制限、秘密保持などを十分に確認することが重要です。契約締結前に内容を理解し、必要に応じて法的な確認を受けることをおすすめします。

事業承継の弁護士費用

事業承継は、会社の規模、株主構成、後継者候補の有無、承継方法、資産・負債の状況、税務・登記対応の必要性などによって、必要な業務が大きく異なります。

そのため、当事務所では、まずご相談内容をお伺いしたうえで、対応範囲と費用のお見積もりをご案内します。

主なサポート内容 費用の考え方
事業承継の現状整理・課題分析 会社規模、株主構成、資産・負債、承継方法に応じて個別にご案内
親族内承継の法務支援 株式承継、遺言、相続対策、親族間調整の内容に応じて個別見積もり
従業員承継の法務支援 株式譲渡、契約書、役員体制、保証債務などの内容に応じて個別見積もり
M&Aの法務支援 契約書確認、法務調査、交渉支援、クロージング対応などの内容に応じて個別見積もり
遺言書作成・相続対策 遺言の内容や財産状況に応じて、既存の弁護士費用基準に基づきご案内
登記・税務・評価等 司法書士・税理士等への依頼が必要となる場合は、別途費用が発生することがあります

※ご契約前に、対応範囲・費用・実費の見込みをご説明します。
※事業承継税制、株式評価、相続税・贈与税、登記等については、必要に応じて税理士・司法書士等と連携して検討します。
※M&A仲介手数料や第三者評価費用などが必要となる場合には、別途費用が発生することがあります。

よくあるご質問

Q1.事業承継は、何年前から準備を始めるべきですか?

A.会社の状況によって異なりますが、後継者の育成や株式・相続対策を考えると、できるだけ早く着手することが望ましいといえます。

特に、親族内承継では、後継者を経営に参加させ、取引先・従業員・金融機関との関係を引き継ぐために時間がかかることがあります。後継者がまだ決まっていない場合でも、株主構成や経営者保証、事業用資産の状況を確認することから始められます。

Q2.子どもに会社を継がせる場合、遺言書は必要ですか?

A.必要となる可能性があります。

経営者が保有する自社株が相続によって複数の相続人へ分散すると、後継者が会社の意思決定を行いにくくなるおそれがあります。後継者へ株式を承継させる意向がある場合には、遺言書の作成を含め、相続発生後の株式の帰属を検討することが重要です。

ただし、遺言書だけで十分とは限らず、遺留分や他の相続人への配慮も必要になります。

Q3.後継者がいない場合、廃業しか選択肢はありませんか?

A.必ずしも廃業を選ぶ必要はありません。

親族や従業員に後継者がいない場合でも、M&Aによって第三者へ会社や事業を引き継ぐ方法があります。従業員の雇用、取引先との関係、技術やサービスを残すことを目的として、M&Aを検討する企業もあります。

もっとも、すべての会社がM&Aに適しているわけではありません。会社の強み、財務状況、事業の継続性、希望条件などを整理したうえで検討することが大切です。

Q4.自社株の価値はどのように調べますか?

A.会社の規模、業種、資産、利益、株主構成などを踏まえて評価します。

自社株の評価は、贈与・相続・譲渡・M&Aなど、目的によって検討すべき内容が異なる場合があります。税務上の評価だけでなく、譲渡価格や会社の実態に関する評価も必要となることがあります。

自社株の評価は、承継方法や税務に大きく影響するため、早めに税理士等と連携して確認することをおすすめします。

Q5.事業承継税制を使えば、相続税や贈与税はかかりませんか?

A.一定の要件を満たす場合に、相続税・贈与税の納税猶予や免除の特例を受けられる可能性があります。

ただし、会社・先代経営者・後継者に関する要件、計画の提出、承継後の継続要件などがあるため、制度を利用できるかどうかは個別の確認が必要です。

制度の期限や内容は改正されることがあるため、承継を検討する時点の最新情報を確認し、税理士等と連携して判断することが重要です。

Q6.経営者保証は後継者に必ず引き継がれますか?

A.必ずしも自動的に引き継がれるものではありませんが、会社の借入や金融機関との関係によっては、後継者が保証を求められる可能性があります。

承継前に、保証債務の状況、会社の財務内容、金融機関との関係を整理し、保証の解除や見直しを協議できる可能性があるかを確認することが重要です。

Q7.M&A仲介会社と契約する前に、何を確認すべきですか?

A.手数料だけでなく、支援範囲、契約期間、専任条項、直接交渉の制限、成功報酬の算定方法、秘密保持、相手方との利益相反の有無などを確認することが重要です。

M&Aは重要な経営判断であり、一度契約すると途中で条件を変更しにくい場合があります。契約内容に不安がある場合には、署名する前に弁護士へご相談ください。

Q8.事業承継のことを従業員や取引先へ、いつ伝えるべきですか?

A.承継方法や会社の状況によって異なります。

早すぎる公表は不要な不安を生むことがありますが、遅すぎると後継者への引継ぎや関係者の理解が十分に得られない可能性があります。誰に、いつ、どの範囲まで伝えるかを、承継計画の中で検討することが大切です。

Q9.経営者個人が所有する事業用不動産も、後継者へ引き継ぐべきですか?

A.会社がその不動産を事業に利用している場合には、承継後も継続して使用できるよう、所有関係や利用条件を整理する必要があります。

相続によって不動産が複数の相続人へ分かれると、会社が従来どおり利用できなくなるおそれがあります。株式だけでなく、事業に必要な土地・建物・設備なども含めて検討することが重要です。

Q10.事業承継と相続対策は、別々に進めてもよいですか?

A.別々に考えると、後から問題が生じることがあります。

事業承継では、後継者へ株式や事業用資産を集中させる必要がある場合があります。一方で、相続では、他の相続人の相続分や遺留分への配慮が必要です。

会社の承継とご家族の相続を一体として考えることで、経営の安定と親族間のトラブル予防の両方を目指すことができます。

Q11.事業承継を相談すると、どのような資料が必要ですか?

A.最初のご相談では、すべての資料が揃っていなくても問題ありません。

可能であれば、会社の定款、株主名簿、決算書、借入金の資料、保険契約、不動産の資料、組織図、後継者候補に関する情報、遺言書の有無が分かる資料などをお持ちください。

資料が不足している場合でも、何から確認すべきかを整理するところから対応します。

Q12.費用がどのくらいかかるか不安です。

A.事業承継は必要な業務の範囲によって費用が異なるため、ご相談内容を伺ったうえで、対応範囲と費用の見込みをご案内します。

遺言書作成、株式譲渡契約書、親族間調整、M&A契約書の確認など、必要な業務を分けてご案内することも可能です。ご契約前に費用面の不安がある場合は、遠慮なくお伝えください。

事業承継後に必要となる主な手続き

事業承継は、株式の承継や代表者の変更で終わるものではありません。承継後にも、会社の安定した経営を続けるため、必要な手続きを進めることがあります。

役員変更・会社登記

代表取締役や役員が変更となる場合には、会社法上の手続きや登記が必要になります。

定款の内容、役員の任期、株主総会・取締役会の決議方法などを確認し、必要に応じて司法書士と連携して手続きを進めます。

契約・許認可・事業用資産の確認

会社が締結している重要な契約、賃貸借契約、リース契約、取引基本契約、許認可などについて、代表者変更や承継によって影響が生じないかを確認します。

事業譲渡を選択する場合には、承継する契約・資産・従業員の範囲を個別に整理する必要があります。

金融機関・経営者保証への対応

借入金や経営者保証がある場合には、後継者への引継ぎ後も金融機関との協議が必要になることがあります。

承継前から財務状況や保証債務を整理し、必要に応じて金融機関への説明や条件の見直しを検討します。

税務・株式評価への対応

贈与・相続・株式譲渡を行う場合には、税務上の確認が必要です。

事業承継税制の利用を検討する場合には、計画提出や認定申請、継続報告などの手続きが必要となることがあります。税理士と連携し、制度の適用可能性と必要な対応を確認します。

M&A後の統合作業

M&Aによる承継では、契約締結後に、従業員、取引先、会計・労務・業務システムなどの統合作業が必要となる場合があります。

承継後に事業が円滑に継続できるよう、契約上の約束や関係者への説明内容を確認しながら進めることが重要です。

最後に

事業承継は、経営者様が長年築いてきた会社、従業員、取引先、ご家族の将来に関わる大切な経営判断です。

「まだ先の話」と感じていても、後継者の育成、自社株の整理、相続対策、経営者保証、M&Aの検討には時間がかかります。早めに現状を整理しておくことで、承継方法の選択肢を広げ、突然の事態にも備えやすくなります。

宇都宮東法律事務所では、親族内承継、従業員承継、M&Aを含む事業承継について、会社の法務と相続の両面から課題を整理します。

事業を次の世代へ引き継ぐために、何から始めるべきか迷っている段階でもご相談いただけます。まずは、現在の会社の状況と、経営者様が考える将来像をお聞かせください。

事業承継に関するご相談はこちら

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