相続の手順と期限について―相続が発生した時にどんな手続が必要か―
「具合が悪いと聞いていたが、まさかこんなに急に亡くなるなんて」
「親戚の時は近所の方がいろいろ教えてくれたけど、相続の手続きなんて考えたこともない」
相続の場面はいつやってくるか分かりません。
ある程度予想ができても、今後の手続きについてはなかなか言い出せないものではないでしょうか。
いったん相続が開始すると、実に様々な手続きを間違いなくおこなわなければなりません。
当事務所では知識・経験とも十分な弁護士が、男女4人所属し共同で相続問題に向き合っています。
相続の手続きは、決めなければならない期限があるものが多くなっています。
少しでも疑問があれば、できるだけ早くご相談ください。
それでは以下、相続の手続きとその期限について手順を追って説明します。
相続開始時の手続
被相続人(相続される人)が亡くなった時から、相続が開始します。
1. 葬儀費用の出金(預貯金の仮払い)
「預貯金の仮払い」の制度が、今回(2019年7月1日)施行された改正民法により新設されました。
2. 死亡届提出(期限7日以内)
一般的には医師が作成する死亡診断書と一体になっており、火埋葬許可申請書とともに市町村に提出します。
死亡後7日以内に提出する必要がありますので、注意して下さい。
相続から3か月以内の手続
相続が開始してから概ね3か月以内に、以下の手続きをすすめます。
49日を過ぎたころからすすめることが多いです。
1. 遺言書の確認
最初に、以下の二つを確認します。
- 専門知識・スキルに基づくサポートが受けられる
- 依頼期間中に貸金業者からの直接の督促を受けなくて済む
有効な遺言書があるかないかで、今後のすすめ方が大きく変わるからです。
有効な遺言書があれば、基本的にはその遺言書の内容に従って相続をすすめます(必ず遺言書通りにできるわけではありません)。
(注意)遺言書があっても勝手に開封してはなりません
自筆証書による遺言書が見つかると「検認」という手続きを家庭裁判所にしてもらわなければなりません。
封がされている遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料が科される可能性がありますので注意して下さい。
また、2019年7月1日に施行された改正民法により、遺言書の作成について、遺言書の様式が緩和されました。
自筆証書遺言書の一部をパソコンで作成できるようになったり、法務局における保管も可能になりました。
2. 相続人の調査と確定
有効な遺言書がなければ先に解説した法定相続分通りの相続となります。
しかし、相続人全員が集まって遺産分割協議(遺産の相続を相続人で相談して決めること)をおこなって遺産分割を決めることもできます。
遺言書がある場合でも、遺産分割協議をすることは可能です。
遺産分割協議は相続人全員が参加しなければなりません。
そのため、協議の前に相続人が誰なのかを調査して確定する必要があります。
相続人調査は、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍や除籍謄本、改正原戸籍(法の改正で作り直す前の戸籍)をさかのぼって確認していきます。
こうした書類は、原則として直系(親、子、孫など)の相続人であれば請求できます。
しかし、傍系(兄弟姉妹など)の相続人による請求はできません。
相続人調査などは複雑な場合がありますし、最終的には遺産分割協議書という重要な書類の作成が必要な手続ですから、当事務所のような弁護士に依頼する方が簡単です。
3. 遺産の調査と確定
次に、何を相続するか、遺産はどれかを調査します。
遺産は、自宅に保管されている被相続人の通帳や不動産の権利証、株式保管通知や投資信託の計算書などから把握します。
借金(借入金など)も遺産となります。
通帳などの引落も忘れずに確認して下さい。
個人で調査を行うと、一つ一つの金融機関について調査、交渉しなければなりません。
しかし、弁護士は金融機関などに対して職権で調査ができるので相続人の手間が大きく省けます。
3. 生命保険金の請求(期限3年以内)
生命保険金(死亡保険金)を受け取ることができるのは、保険証券に記載されている「受取人」です。
生命保険金の受け取り期限は被保険者が死亡してから3年以内です。
しかし、みなし相続財産として課税対象になったり相続税や贈与税がかかったりするケースもあります。
早めに請求しておきましょう。
4. 相続放棄・限定承認の陳述(期限3カ月以内)
相続放棄をしたい、および限定承認(相続財産を責任の限度として相続すること)をしたい時もあるでしょう。
その場合はその旨を、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
相続から4カ月以内の手続
次に、「所得税の準確定申告」の手続を、相続開始後4ヶ月以内に行う必要があります。
所得税の準確定申告(相続開始後4カ月以内)
相続人は、被相続人(亡くなった方)の所得を申告しなければなりません。
申告の対象となるのは、「被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日まで」の収入や支出などです。
このことを準確定申告といいます。
この手続は、相続が開始した時から4カ月以内におこなわなければなりません。
相続から10カ月以内の手続
次に、相続から10ヶ月以内に「遺産分割協議の書の作成」と「相続税の申告・納付」の手続があります。
1. 遺産分割協議書の作成(相続開始後10ヶ月以内)
有効な遺言書がない場合、または有効な遺言書があっても相続人全員が納得しなかった場合は、遺産分割協議書を作成します。
この遺産分割協議自体には作成期限はありません。
しかし、預貯金や不動産といった相続財産の名義変更や相続税の申告に必要なので、相続開始後10カ月以内に作成することが望ましいです。
2. 相続税の申告・納付(相続開始後10ヶ月以内)
相続税の申告・納付の期限も相続開始後10カ月以内です。
10カ月もあれば大丈夫と思われる方が多いのですが、様々な調査をしているうちに10カ月はあっという間に過ぎてしまいます。
期限を越えると様々なペナルティがあります。ぜひ早めに当事務所に相談して下さい。
当事務所の特徴
当事務所は相続問題に精通した男女合わせて4人の弁護士が、チームを組んであなたの問題に向き合います。
一つの案件に対して複数の弁護士の視点で対応でき、担当する弁護士以外も含めた事務所全体で事件をスムーズに解決します。
また、依頼者だけでなく相手方の言い分もしっかり伺って、感情的なもつれを可能な限り解きほぐします。
それにより、依頼者の方が金銭面だけでなく精神面でも納得する解決を目指します。
事務所がある宇都宮の地域柄として持ち家の方が多く、不動産の相続について十分ノウハウを蓄積しています。
相談される際のハードルを少しでも低くするため費用をわかりやすく設定しており、支払い方法も柔軟に対応しています。
相続問題は早めの着手がポイントです。
初回相談は60分まで無料ですので、悩みごとがあればお気軽にできるだけ早く、当事務所までぜひご相談ください。