相続人調査とは-調査手順と法定相続情報証明制度について

代表弁護士 関口 久美子 (せきぐち くみこ)
弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員(パートナー弁護士)
所属 / 栃木県弁護士会 (登録番号43125)
保有資格 / 弁護士

相続が開始すると「誰が相続人か」を調査しなければなりません。

配偶者や子供の見当はつくでしょうが、ドラマのように隠し子がいる可能性は調査しない限りゼロとは言い切れません。

では本当の相続人が誰なのかを特定するには、どうすればいいのでしょうか。

ここでは相続人調査とその方法、加えて平成29年より開始された法定相続情報証明制度についてわかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、チームを組んで事務所全体で問題を解決します。

相続人の調査には、かなりの量の戸籍等を収集する手間と、その戸籍を理解する法的知識が必要です。

私ども弁護士であれば、迅速に役所へ直接請求することが可能ですし、戸籍についての知識も豊富です。

どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

相続の専門家

相続人調査とは

相続人調査とは、被相続人の相続財産を相続する資格がある人を確定するために行う調査のことです。

相続人調査は、役所に届出され作成された戸籍など、客観的に証明される資料を収集して行います。

相続人であることが証明されないと、相続財産がある銀行などの金融機関から遺産分割のために解約ができません。

後に遺産分割協議が整い不動産などの所有権移転登記をおこなう際にも、相続人を特定した客観的な資料が必要となります。

遺言通りの相続をすすめるため、遺産分割協議を行うための前提として、相続人調査は欠かせない手続きです。

相続人調査の手順

相続人調査は概ね以下の手順で行います。

  1. 被相続人の最新の戸籍を取得
  2. 時系列に沿って、または除籍した者もさかのぼって戸籍を取得
  3. 相続人を確定(相続関係説明図の作成)

① 被相続人の最新の戸籍を取得

被相続人の死亡が記載されている最新の戸籍を取得します。

本籍地の役所に出向くか郵便でも請求できます。

  • 請求できる人
    被相続人の配偶者、直系尊属(父母、祖父母)および直系卑属(子、孫)です。
    ※傍系(被相続人の兄弟姉妹)は被相続人の戸籍は取得できません。
  • そのほか、職権として請求できる人
    弁護士や司法書士、税理士や行政書士、社会保険労務士や土地家屋調査士等で、業務に必要な範囲において取得が可能です。

被相続人の債権者なども請求できますが、詳細は割愛します。

② 時系列に沿って、または除籍した者もさかのぼって戸籍を取得

  • 転籍(本籍地を移動させること)している場合
    最新の戸籍から転籍前の戸籍へさかのぼって取得します。そしてその間の婚姻、子の出生や養子縁組を確認します。
  • 離婚して旧戸籍へ戻ったり、離婚して新戸籍を新しく作ったりした場合
    離婚前の戸籍へさかのぼり取得します。その間の子の出生を確認します。
  • 結婚して新戸籍を作った場合
    結婚する前に遡り戸籍を取得します。
  • 他の子(兄弟姉妹)の出生を確認
    出生した時まで確認すれば、その戸籍において必要なら他の子(兄弟姉妹)の出生を確認します。
  • 改製前の戸籍も取得して確認
    法律の改正により戸籍が作り直されていますが(明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成6年)、被相続人の戸籍がそれらの戸籍改製を経ていれば、改製前の戸籍も取得します。改製前の戸籍で婚姻、子の出生がないか確認するためです。

③ 相続人を確定(相続関係説明図の作成)

以上の調査により相続人が確定したのち、通常は相続関係説明図を作成します。

必須ではありませんが、相続人間の関係が一覧できるので非常に便利です。

法務局へ不動産の相続登記を行う時この相続関係説明図があれば戸籍の原本還付が受けられるので便利ですが、後述する法定相続情報証明制度でも同様の利点があります。

相続関係説明図

戸籍の種類

次に、相続人調査に欠かせない戸籍について説明します。

戸籍には謄本と抄本があります。

  • 謄本とは、戸籍に載っている全員の情報が記載されたものです。
  • 抄本とは、戸籍に載っている一部の人の情報が記載されたものです。

相続調査では配偶者の有無や親子関係、兄弟関係の確認が必要ですので、取得するものは謄本になります。

また、戸籍には以下の種類があります。

  • 戸籍謄本(こせきとうほん)
  • 除籍謄本(じょせきとうほん)
  • 改正原戸籍(かいせいはらこせき)

それぞれについて以下、詳しく説明します。

戸籍謄本(こせきとうほん)

現戸籍とも呼ばれ、現在役所で請求すると取得できる戸籍です。

概ね平成6年ごろにデータがコンピューター化されました。

役所では「戸籍全部事項証明書」や「戸籍一部事項証明書」と記載されています。

除籍謄本(じょせきとうほん)

転籍や死亡、婚姻による新戸籍編纂のため誰もいなくなり、閉鎖された戸籍謄本のことです。

戸籍謄本としての情報は消えずに保管されています。

改正原戸籍(かいせいはらこせき)

法令で作り直される前の戸籍のことです。

法改正の時期の対応した呼び方をすることがあります。

平成改製:平成6年の法改正による改製まえのもの 
昭和改製:昭和32年の法改正による改製まえのもの 等

(実際の改製時期は、役所により数年の開きがあります)

法定相続情報証明制度について

法定相続情報証明制度とは、相続人が登記所(法務局)に戸除籍謄本等一式と相続関係説明図(法定相続情報一覧図)を提出すれば、その一覧図に登記官が認証文を付した写しを無料で交付してくれるという制度です。

平成29年5月から全国の登記所(法務局)において始まりました。

この制度により、その後の相続手続(預金解約や不動産の移転登記等)では「法定相続情報一覧図」の写しを利用すればよく、戸除籍謄本等一式を何回も出さなくてよくなりました。

相続人調査が完了したのちは、この制度の利用が便利です。

まとめ

相続人調査をするための戸籍等の請求は、弁護士であれば迅速に対応できます。

またその戸籍等を理解し、相続人を間違いなく確定するためには、高度な法的知識が必要です。

相続問題を数多く解決してきた当事務所へどうぞご相談下さい。

当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

相続人の確定からその先の遺産分割協議や承継手続きまで、一連の手続すべてについてご相談に対応が可能です。

気軽に相談していただけるよう、夜9時まで電話を受け付けています。

またわかりやすく費用を設定しており、支払い方法も個々の状況に合わせ柔軟に対応します。

初回相談は60分まで無料ですので、どうぞ気軽に当事務所までご相談ください。

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