借金を相続したくない時には-相続放棄の手順と注意点

遺産は預金や不動産のような「プラスの財産」と、借金や未払の税金など「マイナスの財産」に分けられます。

プラスの財産よりマイナスの財産の方が大きい場合など、相続したくない時もあります。

この場合には「相続放棄」ができますが、どのように行えばいいのでしょうか。

この記事では相続放棄の手順と注意点について、わかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、チームを組んで事務所全体で問題を解決します。

相続放棄をするかどうかの判断は、高度な法的知識が必要です。相続に関連する相談に数多く対応してきた当事務所は、相続放棄についても数多く対処してきました。

どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

相続放棄とは

相続放棄とは、自己が相続人である相続について一切の相続を行わず放棄することです(民法939条)。

相続といえば預貯金や有価証券、不動産などの「プラスの財産」に注目しがちですが、相続の対象には借入金や未払金、連帯保証債務などの「マイナスの財産」も含まれます。

プラスの財産とマイナスの財産を比較してマイナスの財産が大きいような場合、相続しても自己の財産からその差額について支払わなくてはなりません。

そのような場合に相続放棄をすることで、プラスの財産を相続しない代わりにマイナスの財産も相続しなくてすみます。

相続放棄の手順

相続放棄の手続きは、以下の手順で行います。

  1. 相続財産を調査
  2. 相続放棄をするかを判断
  3. 家庭裁判所に対し相続放棄を申述
  4. 相続放棄照会書の受領と回答
  5. 相続放棄の申述受理通知の受領

以下、それぞれについて詳しく説明します。

① 相続財産を調査

相続財産として何があるか、額はいくらかを調査します。

マイナスの財産があったとしても、通常その額を大きく上回るプラスの財産があれば相続放棄をしなくてすむと考えられます。

逆にプラスの財産がほとんどなく、マイナスの財産ばかりであれば相続するメリットが少ないと考えられます。

その判断を行うためには、財産がどれくらいあるかを把握する必要があるのです。

<プラスの財産の調査>

  • 預貯金など:
    通帳や金融機関からの通知を確認します。
    直近まで記帳されていない場合は残高証明書を確認します。
    相続人である旨を示して請求するといいでしょう。
  • 株式などの有価証券:
    証券会社からの通知や報告書を確認します。
  • 不動産:
    固定資産税通知書や登記済証、市区町村にある「名寄帳(固定資産課税台帳)」で確認します。

<マイナスの財産の調査>

借金などの借入明細書、返済予定表などで確認します。

返済中であれば返済が停止することで督促を受けるので、死亡後の被相続人あての郵便物や電話連絡には注意しましょう。

税務署や市町村からの督促状や分納誓約書があれば税金等の滞納があるはずですので、通知先へ連絡して確認します。

② 相続放棄をするかを判断

相続財産とその額がはっきりしたところで、相続すべきか放棄すべきかを判断します。

相続放棄すると判断したのであれば、以下の手続きをすすめます。

③ 家庭裁判所に対し相続放棄を申述

相続放棄の申述を行います。

申述する機関 必要書類
被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所 ・相続放棄の申述書
・被相続人の戸籍の附票または住民票の除票
・申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本
・郵便切手や収入印紙
(裁判所により変わります)
申述人と被相続人との関係により、さらに戸籍等の書類が必要になることがあります

④ 相続放棄照会書の受領と回答

相続放棄の申述手続きに問題がなければ、書類を提出してから1週間程度で「相続放棄照会書」「回答書」が家庭裁判所から届きます。

裁判所からの照会事項について回答したものを送付します。

この照会書・回答書は家庭裁判所が相続放棄の申述を認めるかどうかの判断材料になりますので、適当に回答してはいけません。

書き方に悩むようであれば、弁護士に相談しましょう。

⑤ 相続放棄の申述受理通知の受領

上記の回答後、家庭裁判所が相続放棄の申述を認めれば、相続放棄の申述受理通知が届きます。

これにより相続放棄が完了したことになります。

相続放棄の注意点

相続放棄にはいくつかの注意すべき点があります。

  • 相続放棄には期限がある
  • 相続放棄は一度すれば取り消しができない
  • プラスの財産も相続できなくなる
  • 相続を放棄すれば次の順位の相続人が相続する

以下、それぞれについて詳しく説明します。

相続放棄には期限がある

相続放棄の申述は、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」(民法915条)に行わなければなりません。

「相続の開始を知ったとき」とは

「相続の開始があったことを知ったとき」とは、被相続人が死亡した時ではなく被相続人が死亡したことを知った時とされています。

したがって、死亡したことを知ってから3か月以内に相続放棄の申述を行うことが必要です。

期限があることに注意しましょう。

熟慮期間延長の申立て

この3カ月の期限のことを「熟慮期間」といいますが、どうしても3か月の期間内に相続放棄をするか決められない場合は「熟慮期間延長の申立」を家庭裁判所に行うことで、期限を延長してもらうことも可能です。

しかしどんな場合でも認められるのではなく、延長を認める相当な事情があることが必要です。

安易に考えず弁護士に相談するようにしましょう。

【例外】被相続人が死亡したことを知っていても熟慮期間が開始しないこともある

被相続人に相続財産がないと信じたことに正当な理由があれば、死亡を知ってから3か月以内に相続放棄を行わなかった場合でも熟慮期間が開始しない(相続放棄の期限を過ぎていない)と認められたケースがあります(最高裁判例昭和59年4月27日)。

しかし、相続財産がないと信じたことに過失がないことが必要など、具体的な判断は難しいです。

相続放棄に詳しい弁護士に相談するほうがいいでしょう。

相続放棄は一度すれば取り消しができない

相続放棄の申述を一度行えば、詐欺や強迫によって放棄したような特別の場合を除いて、取り消すことはできません。

相続放棄を行うかどうかの判断は、くれぐれも慎重に行う必要があります。

プラスの財産も相続できなくなる

マイナスの財産を相続することがなくなる代わりに、プラスの財産も相続することはできなくなります。

プラスの財産は相続して、マイナスの財産は放棄するといったことはできません。

相続を放棄すれば次の順位の相続人が相続する

相続を放棄すれば相続が終了するわけではありません。

自分が相続を放棄すれば、次の順位の相続人が相続することになります。

具体例として、相続財産として被相続人に借金があり、被相続人の相続人は息子である自分のみである一方、被相続人に弟がいる場合:
息子である自分が相続放棄すれば、自分は借金を相続しなくてすみます。

しかしその結果、借金は次の順位の相続人である被相続人の弟に相続されることになります。

したがって、相続放棄した「後に」どうなるかについて、よく考えておく必要があります。

まとめ

相続放棄をすべきかどうかの判断は、法的な専門知識が必要です。相続問題を数多く解決してきた当事務所へのご相談をお勧めします。

当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

相続放棄をした後がどうなるかまで配慮して、対処方法を提示します。

気軽に相談していただけるよう、夜9時まで電話を受け付けています。

またわかりやすく費用を設定しており、支払い方法も個々の状況に合わせ柔軟に対応します。

初回相談は60分まで無料ですので、どうぞ気軽に当事務所までご相談ください。

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