身の回りの世話や介護をしたことはどう評価されるのか―寄与分の基礎知識と計算方法―

相続人の一部だけが被相続人の身の回りの世話や介護をしたとき、そうしたことは相続額などに影響するのでしょうか。

今回の記事では被相続人に対し、身の周りなどの特別の貢献をした相続人に関係する「寄与分」とその計算方法について、わかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、それぞれ協力しあって事務所全体で問題を解決します。

相続問題を多数解決してきた当事務所には、寄与分に関する経験や裁判例のノウハウが数多く蓄積されています。

どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

寄与分とは

寄与分とは、被相続人(亡くなった人)の事業を支えたり身の回りの世話や介護をしたりした相続人が、その貢献度分を相続額に反映させることです(民法904条の2)。

寄与分は「相続人のうちの1人」が「被相続人の財産の維持または増加」について「特別の寄与」をしたときに認められます。

たとえば、事業を支えることで被相続人の財産を増やしたり、被相続人の身の回りの世話や介護をすることで被相続人の財産から支出を抑えることができたりしたなどのことがこれにあたります。

寄与分が認められるケース

寄与分が認められるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

(1)「特別の寄与」をしたのが相続人(のうちの1人)であること

寄与分の制度は相続人に対して設けられた制度ですので、相続人でなければこの制度は認められません。

ただし、相続人でない親族(長男の妻等)については、寄与分制度に類似した「特別寄与料」の請求ができるようになりました(平成30年7月の法改正から)。

(2)「特別の寄与」であること

特別の寄与と判断されるためには、以下のポイントが重要になります。

  • 無償であること
  • 1年以上継続していたこと
  • 専従していたこと
  • 身分関係から通常期待される以上の行為であること

(3)被相続人の財産の維持または増加に寄与したこと、またその行為と財産の維持または増加に具体的な因果関係があること

被相続人の事情の後継予定者として被相続人の事業を無償で手伝ってきたり被相続人の事業に資金を提供したりした場合や、身の回りの世話のために介護士や家政婦を相続人の費用で雇っていた場合など、被相続人の財産の維持または増加との因果関係が認められる必要があります。

寄与分の類型

寄与分は以下の5種類に分類されています。

家事従事型

被相続人の事業を無償で手伝い、財産増加に寄与したような場合です。

ただし、相応の給与を受け取っていれば認められません。

金銭等出資型

被相続人の事業に資金を提供した場合、借金返済のために金銭を贈与したような場合です。

被相続人の身の回りの世話のため家政婦等を相続人自らが雇っていた場合も認められますが、扶養義務との関係や同居非同居によって減額されることが多くなっています。

療養看護型

被相続人の療養看護を相続人が行って、看護費用の支出を抑えたような場合です。

支出を抑える行為は、相続財産の維持に寄与したと考えることができます。

ただし先に解説した「特別の寄与」であることを満たさなければなりませんので、無償性や継続性、専従性、身分関係から期待される以上の行為であることが必要です。

扶養型

被相続人を扶養して、生活費の支出を抑えたような場合です。

ただ夫婦間にはもともと相互扶助義務があり、直系血族や兄弟姉妹にも互いに扶養する義務がありますので、それを超えた「特別の寄与」と言えるかは難しいところです。

財産管理型

被相続人の収益物件(例えば被相続人が所有して賃料を取っているマンション)などの財産管理を無償で行って、管理委託費用の支出を抑えたような場合です。

ただし、被相続人などから相応の報酬を受け取っていたり、数室程度の管理を被相続人と同居しておこなったりしていれば、特別の寄与とは認められないケースが多いでしょう。

寄与分の計算方法の例

寄与分について、相続人の間で遺産分割協議が整わないとき、家庭裁判所は寄与をした人の請求によって寄与分を定めます。

寄与分を規定した民法904条の2には「寄与分を算定するには、寄与の時期、方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定める」と規定されています。

しかし、では具体的に算出するかについては規定されていません。

ですから実務上は家庭裁判所の裁量に任されています。

寄与分の計算方法を類型ごとに記載しておきますので、参考にして下さい。

  • 家事従事型の計算方法
    寄与者が受け取るべき相続開始時の年間給付額×(1-生活費控除割合)×寄与年数
  • 金銭等出資型の計算方法
    寄与者が贈与した時の金額×貨幣価値変動率×裁量的割合
    裁量的割合とは、裁判所がそれぞれの個別の事案に応じて判断する割合のことです。
  • 療養看護型の計算方法
    通常の付添介護人の日当額×寄与者が療養看護した日数×裁量的割合
  • 扶養型の計算方法
    寄与者が負担した扶養額×期間×(1-寄与相続人の法定相続分割合)
  • 財産管理型の計算方法
    管理や売却を第三者に委任した場合の報酬額×裁量的割合

寄与分がある場合の相続分の計算方法

寄与分がある場合、相続財産(遺産)の総額から、認められた寄与分を差し引いた後に、相続人それぞれの相続額を計算します。

寄与分がある相続人の相続額は、算定された相続額に寄与分を加算したものになります。

寄与分がある場合とない場合の相続分の計算例は以下の通りです。

(1) 寄与分がある相続人の相続分の計算方法

(遺産総額-寄与分)×法定相続分+寄与分

(2) 寄与分がない相続人の相続分の計算方法

(遺産総額-寄与分)×法定相続分

計算例

相続人の遺産総額が5千万円、相続人は長男A,と次男B、長男Aの介護費用負担500万円が寄与分と認められた時

  • 相続人Aの相続分:(5千万円-500万円)×2分の1+500万円=2750万円
  • 相続人Bの相続分:(5千万円-500万円)×2分の1=2250万円

まとめ

寄与分が認められるかの判断は、専門的な知識が特に不可欠な分野です。

相続問題を数多く解決してきた当事務所へのご相談をお勧めします。

当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

証拠がなくても寄与分が認められることは多々あります。

私どもは相続問題での豊富な経験をもとに、あなたの相続問題を解決します。

気軽に相談していただけるよう、夜9時まで電話を受け付けています。

またわかりやすく費用を設定しており、支払い方法も個々の状況に合わせ柔軟に対応します。

初回相談は60分まで無料ですので、どうぞ気軽に当事務所までご相談ください。

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