遺言執行者とは-遺言執行者の役割、選任方法について

代表弁護士 関口 久美子 (せきぐち くみこ)
弁護士法人宇都宮東法律事務所 代表社員(パートナー弁護士)
所属 / 栃木県弁護士会 (登録番号43125)
保有資格 / 弁護士

遺言書を残せば、相続人はその通りに相続をすすめてくれるのでしょうか。

誰かに遺言通りの相続手続きを頼むことはできないのでしょうか。

民法では、遺言の内容を実現する人として「遺言執行者」の制度を定めています。

ここではその遺言執行者の役割と選任方法について、わかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、チームを組んで事務所全体で問題を解決します。

当事務所は、相続に関連する相談に数多く対応してきました。

遺言執行者の就任を予定した遺言書の作成および遺言執行者として遺言内容を実現してきた経験が豊富です。

どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

遺言執行者とは

遺言執行者とは「遺言の内容を実現するために相続財産の管理のほか遺言の執行に必要な一切の行為をする者(民法1012条1項)」です。

わかりやすくいえば「遺言の内容を実現するために様々な行為をする者」です。

相続が開始した時点で遺言者はすでに亡くなっているわけですから、相続財産の分配といった具体的な手続きは遺言者以外の者がおこなうことになります。

その具体的な手続きをおこなう人を遺言執行者に選び、相続手続きをスムーズにすすめることが目的です。

遺言執行者を選任する目的は遺言内容を実現することですので、遺言がなければ遺言執行者を選ぶ必要はありません。

弁護士や司法書士や行政書士、相続人のうちの一人といった個人だけでなく、信託銀行や弁護士法人といった法人も遺言執行者になることができます。

遺言執行者を選任しなければならない場合

遺言があっても、必ず遺言執行者を選任する必要はありません。

しかし次の場合は、遺言執行者を必ず選任しなければなりません。

  • 遺言によって相続廃除をおこなう場合
  • 遺言によって認知をおこなう場合

遺言によって相続廃除をおこなう場合

相続廃除とは、相続する権利のある人(推定相続人)から虐待を受けたり重大な侮辱を受けたりした場合等著しい非行がにあった時、被相続人(亡くなった人)がその推定相続人を相続人から除外することです。

相続廃除は遺言によってもおこなうことができます。

遺言によっておこなう場合は、遺言執行者が家庭裁判所に申し立てる必要がありますので、必ず遺言執行者を選任しなければなりません。

遺言によって認知をおこなう場合

遺言によって認知をおこなうことは、遺言認知と呼ばれます。

認知も、遺言書の中でおこなうことが可能です。

しかし遺言によって認知をする場合は、遺言者の死後に遺言執行者が役所に認知の届出をおこないますので、必ず遺言執行者を選任する必要があります。

遺言執行者の業務執行の流れ

遺言執行者が指定されたのちの業務執行は、次のような流れになります。

①遺言執行者が就任を承諾する
断ることもできます。

特別の理由がなくても断れます。

指定された者が積極的に就任を承諾する意思表示をしない時は、相続人やその他の利害関係人は承諾するかどうかを、指定された者に確答するように請求することができます。

②就任の承諾と遺言の通知
就任を承諾したこと及び遺言の内容を、相続人その他の利害関係人に通知する。

③戸籍等を集め、相続人を調査する

④財産目録の作成
相続財産を調査し相続財産目録を作成して、相続人その他の利害関係人に交付します。

相続人が請求した時は相続人の立会いの下で相続財産目録を作成するか、公証人に作成させなければなりません。

⑤相続財産の分配
預貯金を解約して分配し、売却して分配する財産は売却し分配します。

⑥有価証券や不動産などの名義変更
有価証券や不動産など、名義変更が必要な財産は、遺言に従って名義変更します。

不動産の場合は相続登記までおこないます(司法書士に依頼する場合もあり)。

⑦相続人への完了報告
手続きが全て完了すれば、相続人その他の利害関係人に完了報告をします。

以上で遺言執行者の業務執行は完了となります。

遺言執行者の選任方法

遺言執行者を選任するには、次の3つの方法があります。

  • 遺言で選任する
  • 遺言執行者を選任する人を遺言で指定する
  • 利害関係人が家庭裁判所に選任を請求する

以下、それぞれについて説明します。

遺言で選任する

遺言書の中で遺言執行者を選任する方法です。

「この遺言の執行者に、○○を指定する」と記述し、住所氏名も明らかにします。

法律上は遺言で指定するだけでいいのですが、実際上は事前に指定する人に了解を得ておいたほうが、就任を承諾してもらいやすいでしょう。

遺言執行者を選任する人を遺言で指定する

遺言執行者を選任する人を、遺言書で指定することも可能です。

遺言執行者が先に亡くなることもあるからです。

利害関係人が家庭裁判所に選任を請求する

以下の場合には、利害関係人が家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求することができます。

  • 遺言執行者が最初から指定されていない場合
  • 遺言執行者がいなくなった場合(遺言執行者が指定されていても就任を承諾しなかったり、遺言執行者を承諾しても辞任したりした場合など)

遺言執行者を必ず選任しなければならない時で遺言執行者がいない場合は、家庭裁判所に選任を請求しなければなりません。

まとめ

遺言執行者を選任しておくことで、無用な相続問題の発生を避ける可能性が高まります。

相続問題を数多く解決してきた当事務所へのご相談をお勧めします。

当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

数多くの遺言書の作成、遺言執行者に就任してきた経験と知識で、遺言内容の実現をお手伝いします。

気軽に相談していただけるよう、夜9時まで電話を受け付けています。

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