相続放棄は取り消せるか-相続放棄の撤回と取消

借金や未払の税金など「マイナスの財産」などの相続を避けるため、「相続放棄」がおこなわれます。

しかし相続放棄をした後で新しい相続財産が発見されたり、同時に相続放棄をするはずだった相続人が相続放棄をしないと言い出したりした場合、気が変わったとして相続放棄は取り消せるのでしょうか。

この記事では相続放棄が取り消せるか、撤回できるかについてわかりやすく解説していきます。

当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、チームを組んで事務所全体で問題を解決します。

相続放棄の撤回や取消には高度な専門知識が必要です。

どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。

相続放棄とは

相続放棄とは「自己が相続人である相続について一切の相続を行わず放棄すること」です(民法939条)。

相続放棄は、放棄する人(申述人といいます)が家庭裁判所に相続放棄を申述し、家庭裁判所に認められることで完了となります。

申立て受理前の相続放棄の取り下げ

家庭裁判所に相続放棄の手続きを行うため申立書や必要書類を提出してから、家庭裁判所が申立てを受理するまでには数日かかります。

この間に申し立てを取り下げることは可能です。しかし数日程度の期間なので、それほど有効な方法とはいえません。

相続放棄を撤回できるか

相続放棄は撤回できません。

「相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない」と民法919条1項で定められています。

「第915条第1項の期間内」とは、相続を知った時から3か月の熟慮期間のことです。

相続放棄はこの3か月の熟慮期間の間に(相続放棄の手続き期限内に)行わなければなりませんが、一度放棄すれば当初の手続き期限内であったとしても撤回はできません。

相続放棄を取り消すことができる場合

撤回はできませんが、例外的に相続放棄を取り消すことができる場合があります。

取り消すことができる場合は、民法919条2項にて明確に規定されています。

具体的には以下の場合に取り消すことができます。

未成年者が法定代理人の同意なく相続放棄をした場合

未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、取り消すことができます(民法第5条第2項)。

「相続放棄」は身分上の法律効果を生ずる「法律行為」ですので、未成年が法定代理人の同意を得ずに行った「相続放棄」は取り消すことができます。

  • 未成年者が法定代理人の同意なく相続放棄をした場合
  • 成年被後見人本人が相続放棄をした場合
  • 被保佐人が補佐人の同意を得ずに相続放棄をした場合
  • 後見監督人がいる場合、後見監督人の同意を得ずに被後見人本人もしくは後
  • 詐欺又は脅迫によって相続放棄をした場合

成年被後見人本人が相続放棄をした場合

成年被後見人とは、成年ではあるが精神上の障害によって物事のいい悪いが判断できないか、判断できたとしてもその判断に従った行動ができない者で、かつ家庭裁判所で後見開始の審判を受けた者のことです。

その成年被後見人の法律行為は、取り消すことができます(民法9条1項)
相続放棄は法律行為ですので、成年被後見人が行った相続放棄は取り消すことができます。

被保佐人が保佐人の同意を得ずに相続放棄をした場合

被保佐人とは、後見を必要とするほどではないものの物事のいい悪いについて判断する能力が著しく不十分な者で、かつ家庭裁判所で保佐開始の審判を受けた者のことです。

その被保佐人が相続の放棄を行うには、被保佐人を後見している保佐人の同意を得なければなりません(民法13条1項第6号)。

したがって、被保佐人が保佐人の同意を得ないでした相続放棄は取り消すことができます(民法13条4項)。

後見監督人がいる場合、後見監督人の同意を得ずに被後見人本人もしくは後見人が相続放棄をした場合

後見人に対して後見人を監督する後見監督人が家庭裁判所により選任されている場合があります。

この場合、その後見人が被後見人の相続の放棄を行うには、後見監督人の同意を得なければなりません(民法864条)。

したがって後見人が後見監督人の同意を得ないでした相続放棄は取り消すことができます(民法第865条)。

詐欺又は強迫によって相続放棄をした場合

詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができます(民法96条)。

詐欺によって勘違いして行った相続放棄や、脅迫によって無理やりさせられた相続放棄は取り消すことができます。

相続放棄の取消し手続き

相続放棄の取消しは以下の通り行います。

申述する機関 申述できる期限
被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所 ・追認をすることができる時から6カ月
・相続放棄をしてから10年

この期間を経過すると、相続放棄の取消しができなくなりますので、注意して下さい。

錯誤無効との関係

錯誤による意思表示は無効であると民法には規定されています(民法95条)。

「錯誤」とは簡単にいえば「勘違い」のことです。

しかし、単なる勘違いでは民法95条にいう「錯誤」には当たらないなど、錯誤を理由として相続放棄の無効を主張するのは、専門的な知識が必要になります。

法律のプロである弁護士に相談したほうがいいでしょう。

まとめ

相続放棄は原則、撤回や取消しができず、取り消すにしても非常に高度な法律知識が必要です。できれば相続放棄をする前に専門家にしっかりと相談しましょう。

相続問題を数多く解決してきた当事務所へどうぞご相談下さい。当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。

また、相続放棄についての知識・経験を数多く積み上げてきています。

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