遺言書の検認手続きについて-遺言書が見つかった場合には
遺言書が見つかった場合はその内容を確認することになりますが、その場で開封してもいいのでしょうか。
いいえ、家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きをとらなければなりません。
ここではその遺言書の「検認」の目的や手続きについて、わかりやすく解説していきます。
当事務所では相続問題の経験が豊富な男女4人の弁護士が、チームを組んで事務所全体で問題を解決します。
相続に関連する相談に数多く対応してきた当事務所には、遺言書の作成経験や遺言執行人としての経験が豊富です。
どうぞお気軽に私ども相続の専門家にご相談ください。
検認とは
検認とは、被相続人(亡くなった人)が残した遺言書が封印されているときに、家庭裁判所でおこなう手続きです。
相続人又はその代理人の立会いのもとでおこないます。
検認手続は、被相続人から遺言書を預かっていた人(保管者)が、被相続人が亡くなったことを知った後、速やかにおこなわなければなりません。
保管者がおらず、相続人が遺言書を発見した場合も同様です。
- 検認が必要な遺言書を家庭裁判所に提出しない
- 検認を経ないで遺言を執行する
- 検認を経ないで勝手に遺言書を開封する
これらの場合、5万円以下の過料に処せられますので注意して下さい。
検認の目的
検認の目的は、発見された遺言書の形状や内容、日付や署名などを明確にすることです。
検認日時点での遺言書の状態、記載されていた内容を明確してその日以降の変造を防止することが目的ですので、遺言が有効か無効かを判断するためではありません。
また、相続人や他の利害関係人に遺言書の存在を知らせることも目的のひとつです。
検認が必要な遺言書
遺言書には、以下の3種類があります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
このうち、検認が必要な遺言書は、自筆証書遺言と秘密証書遺言の2種類です。
自筆証書遺言
内容から署名まで全て遺言者の自筆で書かれた自筆証書遺言書は、開封時に検認が必要です。
平成30年7月の法改正により、財産目録については、パソコンで作成したり通帳のコピーに署名捺印したりすることできるようになりました。
秘密証書遺言
遺言者が作成し封をして公証役場に提出し、遺言書の存在を証明してもらった秘密証書遺言も、検認が必要です。
公証人は遺言書の存在は証明してくれますが、内容については一切確認していないからです。
検認が不要な遺言書
逆に、検認が不要な遺言書は以下の通りです。
- 公正証書遺言
作成時に原本が公証役場に保管される公正証書遺言では、検認は不要です。 - 法務局における遺言書の保管を利用した遺言書
平成30年7月に新設された、自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度を利用した場合も検認は不要となります。
ただし、この制度が利用できるのは令和2年(2020年)7月10日からとなっています。
検認の手続きの流れ
検認の手続きは以下の流れに沿っておこなわれます。
- 家庭裁判所への申立て
- 検認期日の通知
- 検認の実施
- 検認済証明書付きの遺言書の受領
それぞれの手続について説明します。
家庭裁判所へ申立て
遺言書や検認申立書等の必要書類とともに、家庭裁判所に申し立てを行います。
申し立てる先は、被相続人の最終住民票所在地を管轄する家庭裁判所になります。
検認期日の通知
申し立てが受理され問題がなければ、数週間程度で相続人全員に「検認期日通知書」が送られます。
検認の実施
検認期日に家庭裁判所において、相続人または代理人の立ち合いのもとで検認がおこなわれます。
相続人が立ち会うかどうかは、任意となっています。
遺言に関する事実(遺言書の書式や形状、作成された年月日や使用された筆記用具)が調査され、その結果をもとに「検認調書」が作成されます。
検認済証明書付の遺言書の受領
検認が済むと「検認済証明書」が付けられ契印された遺言書を受領します。
検認済証明書には事件番号、検認年月日、検認済である旨とその証明年月日、検認した家庭裁判所名が記載されています。
この検認済証明書があれば、不動産や預貯金等の相続手続きが進められます。
また、検認に立ち会わなかった相続人などの利害関係者には、検認がされた旨の通知が発送されます。
検認申立てに必要な書類と検認費用
検認手続に必要な書類と費用について説明します。
必要書類
①家事審判申立書、当事者目録
②遺言者の戸籍:
- 出生から死亡までの全ての戸籍謄本
- 除籍謄本
- 改正原戸籍謄本(かいせいはらこせき:戸籍法の改正により新しく作られる前の戸籍のこと)
③相続人全員の戸籍謄本
検認費用
- 遺言書1通につき800円(収入印紙にて納付)
- 郵便切手:相続人等への連絡用で使用、裁判所により異なりますが数百円程度
まとめ
遺言書があるときの相続は、法律に則って手続きをすすめなければなりません。
方法を間違うと過料に処せられることもありますので、注意が必要です。
相続問題を数多く解決してきた当事務所へのご相談をお勧めします。
当事務所は相続問題に詳しい男女合計4人の弁護士が、チームとなって相続問題に取り組みます。
遺言書に従った相続手続きや遺言書にとらわれない提案などで、相続問題の円滑な解決をお手伝いします。
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またわかりやすく費用を設定しており、支払い方法も個々の状況に合わせ柔軟に対応します。
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